国際ロマンス詐欺の相談先は警察や国民生活センターだけにすべき理由
国際ロマンス詐欺に関する事件被害の報道が頻繁になされていますが、探偵社にも国際ロマンス詐欺の相談が寄せられることがあります。
弊社では国際ロマンス詐欺については、被害金額を取り戻せる可能性が極めて低いことから費用をいただいて調査を行ったことは一度もありません。
企業倫理の観点からも調査提案など一切行わず、一貫して警察や国民生活センターにご相談されるようアドバイスをしています。
国際ロマンス詐欺とは?
国際ロマンス詐欺はインターネット上のSNSやマッチングアプリなどを通じて、理想の恋愛対象を演じて言葉巧みに近づき、最終的にはお金を騙し取る詐欺です。
犯人はの半々は外国人詐欺師ですが、外国人を装った日本人詐欺師であることもあります。
国際ロマンス詐欺による被害報告は2017年から2018年頃から報じ始められ、近年では数十倍もの被害相談があるとされていますが、実際の被害総数はその何倍にもなっていることが想定されます。
国際ロマンス詐欺の手口
SNSが舞台となることが多い国際ロマンス詐欺の手口は相手の恋愛感情を利用して直接送金をさせる方法や、近年では「将来二人で暮らしていく資金を増やしていこう」などと投資(FXや暗号通過など)や財テクの必要性を共通認識としてもたせた上で、特定のサイトへ誘導する手口が増えてい丸用です。
そのサイトも詐欺師とグルなのは言うまでもありません。
被害金額が高額になることも多いロマンス詐欺
警視庁の発表では令和5年のロマンス詐欺の被害状況が3,846件で被害額は455.2億円にもなるとされています。
一件あたりの平均被害額は1000万円超と高額の被害に遭われている人が多い傾向がみられます。
詐欺被害に遭われて方の多くは複数回にわたって送金をしている傾向があります。被害が大きくなるだけですので、これ以上送金するのは絶対にやめてください。
被害金を取り戻すのは超高難易度
国際ロマンス詐欺は名前の通り、海外の詐欺師が外国人をターゲットとして行われる詐欺です。
被害は日本人だけでなく、アメリカではさらに多くの被害があり、社会問題化しているくらいです。
国外での捜査や情報収集は非常に難しく、犯人(犯行グループ)にたどり着くのは非常に難易度が高いのが実情です。
また、情報を得るのに数年という期間を要することも珍しくはなく、運よく犯人を絞り込めたとしてもお金が全額戻ってくる可能性は限りなく0に近いといえます。
一部の被害金を取り戻せたという事例も本当に少ないのが実情です。
一言でいうと「騙し取った金を決して返さないのが詐欺師」であって、お金を取り戻すには、騙し取ったお金の所在を突き止めて、回収(取り上げる)する以外の方法はほぼありません。
証拠保全の必要性
国際ロマンス詐欺被害を警察に訴えてもまともに聞き入れてくれなかったという話しをよく耳にしますが、それにはそれなりの理由があります。
まず第一に、海外のインターネットを通じて行われていることから犯人の身元の特定が非常に難しい(そもそも実在しない架空の人物)ことと、それでなくとも証明のハードルが高い詐欺事案なのに証拠が不十分であることから民事不介入と判断されてしまうことが考えられます。
また、仮に犯人の特定ができたとしても、日本と身柄引き渡し条約を結んでいない国が大半であり、そこでストップしてしまう可能性が高いのも理由の1つでしょう。
いずれにせよ、国際ロマンス詐欺を解決するには警察による捜査権限が必要非可決です。
そのためには被害にあった証拠を警察に提供するのが一番の近道です。
警察へ相談に行かれる前に、詐欺被害の経緯(出会った手段・やりとりの履歴・送金履歴など)をしっかり纏めておかれることを強くお勧めします。
情報なしでは諦めるしかない可能性も
SNSでのやり取りは残されていなくて、わかるのは偽名と思われる名前と送金手段だけというケースでは、最初から騙すつもりの詐欺だということを証明するのは難しくなってしまいます。
刑法 第246号(詐欺)
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
頼る先は警察や国民生活センターに限定すべき理由
国際ロマンス詐欺に遭ってしまった場合、頼るべき先を警察や国民生活センターなどの行政に限定すべき理由はただ1つ。
「被害金が戻る可能性が非常に低いことから、これ以上お金を失ってはいけない。」からです。
「国際ロマンス詐欺 被害回復」「国際ロマンス詐欺 お金を取り戻す方法」などでネット検索をされると、まず多くの弁護士サイトが表示され、その中に探偵社を含めた調査会社も表示されます。
「弁護士なら取り返してくれるだろう!」と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。
東京弁護士会のホームページでも、特設ページを設けて注意喚起を促しています。
該当ページ:「国際ロマンス詐欺案件を取り扱う弁護士業務広告の注意点」
ましてや探偵などは論外と思って良いと断言します。
弁護士を介してのIPアドレスの開示など、捜査の真似事はできるでしょうが、犯人の特定までに至る可能性は極めて低く、情報が得られたところで、該当国へ渡航して犯行が疑われる人物の調査ができるとは到底思えません。
結論として、被害金額が戻ってくる可能性は0に近いということになります。
それを世間では「詐欺の二次被害」というのです。
詐欺は犯罪ですので、決して泣き寝入りせよというのではなく、これ以上失われるお金を出さないよう、相談先を間違わないようにしてくださいという話しです。
ここまで読まれて弊社に国際ロマンス詐欺に関する相談をされることはないと思いますが、良く読まずに相談される方もいるかもしれませんので書いておきますが、お互いの時間が無駄になることから、弊社に電話をかけて相談するのはやめてくださいますようお願いします。
国際ロマンス詐欺を解決できるまでの調査を行うには弊社では力不足であり、詐欺被害金を取り戻すことは探偵業務ではありません。
【令和5年9月3日追記】国際ロマンス詐欺関連ニュース
国際ロマンス詐欺に遭ってしまった場合、頼るべき先を警察や国民生活センターなどの行政に限定すべき理由を案内してきましたが、それを裏付ける内容のニュース記事が多数報じられるようになりました。
ここではその一部を題名だけご紹介します。
- ロマンス詐欺被害金回収、弁護士が広告会社に法律事務させる…5億円超の着手金受領か(2023/12/20 読売新聞)
- 「国際ロマンス詐欺、被害回復は困難」弁護士会が警鐘 法律事務所の広告にも注意呼びかけ(2023/08/30 YAHOOニュース)
- ロマンス詐欺の被害回復で誇大広告か 千葉県の弁護士の懲戒手続きへ(2023/08/30 毎日新聞)
- 国際ロマンス詐欺等の案件を取り扱う弁護士業務広告にご注意ください!(2023/08/21 愛知県弁護士会)
- ロマンス詐欺の被害金回収 依頼した弁護士の「裏切り」でトラブルも(2023/08/30 毎日新聞)
弁護士会が「詐欺被害金の回収は不可能に近い。」と指摘している国際ロマンス詐欺被害を、債権回収の権限がない探偵が回収できる可能性は、ほぼ0に近いと言って良いでしょう。
詐欺の二次被害に遭うだけです。
全国の弁護士会からの注意喚起ページ紹介
- 愛知県弁護士会
- 東京弁護士会
- 第二東京弁護士会
- 大阪弁護士会
今一度、弁護士会が取り戻せる可能性が極めて低いと指摘している、国際ロマンス詐欺被害金を「本当に取り戻せるのか?」を冷静になって考えてください。
以上が弊社がロマンス詐欺の相談先は警察や国民生活センターに限定すべきと主張する理由になります。
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