慰謝料を支払わない不倫女
取れない慰謝料

不倫加害者の思い違い

大手探偵社で30年も浮気調査を行ってきましたが、その中にはどうにもやりきれない思いをした結果となった浮気調査もありました。

ここでは切ない結果となった浮気調査の中で「私から慰謝料は絶対取れない!」と言い切った不倫女の話をご紹介します。

手でバツ印をつくる女性

悲劇の始まりは夫の不倫

愛知県の某田舎町で暮らすもうすぐ40歳になろうとするご夫婦。
名古屋市内に通勤する会社勤めの夫は出世の見込みがない頼りがいのない男。
それでも共働きで二人の子供をもうけ、平凡な日々を過ごしていたが、夫に不倫の疑惑が生じた。

生活パターンの変化と、ガラリと変わった自宅での言動。
誰がどう見ても、不倫をしているアカン夫そのまま。

妻は実家の両親に夫の不倫疑惑を相談すると、父母ともに「きちんと証拠を揃えて離婚しなさい!」「探偵の費用は私達が支払ってあげるから。」という有り難いお言葉。
「あの男は最初からろくでもないと思っていた。」「娘と孫たちがいればそれで良いから、けじめをつけさせて戻ってきなさい。」とのこと。

娘や孫と住みたい父と母

夫の浮気調査開始

指定された調査日、すぐに夫は動き出し、のこのこと自宅から車で20分ほどの場所にある市営住宅の駐車スペースへ慣れた様子で停車。
嬉しそうな表情をして、小走りで集合住宅の中の一棟に向かう。
入っていったのは3階の右側の部屋。
「2-3-F(※仮)」という表記になっている。

ほぼ確実にこの部屋に住む女性と不倫関係になっているのだろう。
ただ、依頼人が不貞行為が原因とした離婚を望んでいる以上、不貞行為の証明という意味では、アパートへ一度入退室したという証拠だけでは弱すぎる。

  • 密室の空間に男女二人きりで最低数時間過ごした証拠
  • できれば宿泊の証拠がほしいところ
  • ラブホテルに行ってくれたら最高
  • 継続した不貞関係であることを証明する複数回の証拠
  • 仲良く手を繋ぐ・腕を組んでデートをするという証拠
  • 女の名前の割り出し

不法行為となる不貞行為を証明するには、最低でも不貞関係であることが合理的に認められる証拠が必要になるのです。

不倫相手宅を訪問する男性

必要な証拠や情報が揃う

夫は頻繁に不倫相手女性宅へ穂行っていたことから、証拠が揃うのにさほど期間はかかりませんでした。
女の氏名も判明し、裁判になったところで勝てるだけの最低限の証拠を収集したところで依頼人である妻へ報告。

当然、女性の様子も撮影していたため見せると、全く知らない女だとのこと。
弁護士に依頼して、離婚請求と共に夫と女に慰謝料請求するという通常の流れになるかと思いきや、夫が女の部屋に行っているときに訪問し、その場で話をしたいと言う。

「これだけの証拠があるのに、トラブルになるリスクを考えたらやめた方が良いですよ。」と説得したものの、突撃して話をつける覚悟はできているし、リスクも承知していると頑として譲らない。

OKサインを出す女性

愛人宅訪問の準備

依頼人の希望とこちらからのアドバイスを元に、突撃日の内容が決まった。
弁護士法違反(非弁行為)となるため、交渉に口は出せないことはは予め了承済みである。

  1. 当日は通常の浮気調査と同じ内容で行う
  2. 夫が愛人宅に入り、ベランダの電気が消えるもしくは暗くなって30分後に訪問する
  3. 居留守を使われた場合、夫が出てくるまで待つ
  4. 相手から招き入れられない限り玄関で話しをする
  5. 相手女性への示談書は行政書士に依頼して用意しておく
  6. 探偵は可能な範囲で訪問の様子を撮影し、脅迫や暴力がなかった証拠を残す
  7. 相手が逆上して暴力行為に出た場合は制止する

覚悟を決めて訪問をしたのであるが、結果は呆気ないほど普通に玄関扉を開け、冷静な会話となった。
オドオドしているのは夫のみ。

玄関で話す男女

私から慰謝料を取るのは絶対に無理!と言い放つ不倫女

挙動不審な言動を繰り返す夫ではあるが、不倫関係にあることは認めた。
打ち合わっせ通り、不倫関係になった時期や概ねの不貞行為の回数もスラスラ喋った。

その流れで女性に慰謝料の話をしたところ「私から慰謝料を取るのは絶対に無理ですよ!」強く言い切られた。

慰謝料は取れないと言い切った根拠

女性の話を要約するとこうである。

  • 依頼人の夫とはマッチングアプリで知り合った
  • 女性は元夫の不倫で離婚したバツイチ
  • 元夫の不倫相手は無職で慰謝料は取れなかった
  • 自分は生活保護を受けていて収入はそれだけ
  • 不倫したのは申し訳ないと思うけれど、慰謝料は支払わないし支払うつもりもない
  • この場で別れるつもりだけれど、どうなるかは男次第
  • 慰謝料は夫から取りなさい
  • どうしても納得できなければ調停でも裁判でもしてください

完全に居直っています。
これ以上会話をしていても時間の無駄ということで、夫を伴って撤収。
後は弁護士を入れて離婚条件を取り決めなどを進めることになりました。

離婚が成立し、夫と不倫女性への慰謝料請求も確定

調査後に聞いた話によると、慰謝料と財産分与は預金額の全額で夫とは離婚、相手の女性にも慰謝料を請求し、確定はしたものの支払いがあるかどうかは未定だとのことでした。

本調査の感想としては、夫に不倫をされて慰謝料を貰えなかったという辛い経験をしているのに、同じことを他人に向け、今度は加害者としてできるという神経がわかりませんでした。

私の心に響いたのは、依頼人である妻が最後に放った「貴女、清潔感が全くないですよね。」「心が汚れると、身なりまで汚れるものなのね。」という言葉でした。

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名古屋の探偵 浮気調査コラム 筆者紹介

所長の矢橋克純

探偵 矢橋克純

探偵社ガルエージェンシー名古屋駅西・三重・伊勢湾代表
ガル探偵学校名古屋校校長
ガル探偵学校顧問
ガルエージェンシー代理店統括

出演テレビ番組多数
ラジオ番組コメンテイター、各種雑誌にて連載を執筆中

地域に根を張った探偵・興信業務を行い、東海・近畿地区には独自のネットワークを持っていますので愛知県内での行方調査・信用調査・浮気調査等の尾行調査には絶対の自信があります。

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