肉体関係なしで慰謝料を認めた判例 大阪地裁
一線を越えない“プラトニック”な関係を貫いても、やはり「不倫」に代償は必要だった。
夫と親密な関係になり精神的苦痛を受けたとして、大阪府内の女性が、夫の同僚女性に220万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は3月、44万円の支払いを命じた。
判決の下った金額は44万円
4月9日に産経新聞で「プラトニック不倫でも賠償命令…肉体関係「回避の努力」認めず」という題名にて報じられた事案です。
判決は、同僚女性が夫に何度も肉体関係を迫られながら、巧みにかわして「貞操」を守ったと認定。それでも、同僚女性が夫のアプローチをはっきりと拒絶せず、逢瀬を重ねて二人きりの時間を過ごしたことから、地裁は「同僚女性の態度と夫の(原告女性への)冷たい態度には因果関係がある」と判断しました。
これまでは浮気(不貞行為)が原因で慰謝料請求をする場合、肉体関係のあるなしが必須条件とされていたのですが、この判決によると例え肉体関係がなくても、2人がデートを繰り返した結果、「夫婦関係が壊れた」「精神的に苦痛(被害)があった」ということであれば慰謝料を認めるということです。
しかも、その金額は44万!
この金額について一般の方がどう感じられるかわかりませんが、肉体関係が伴わない交際関係での判決としては、かなり高額な判断をされたと思えます。
慰謝料だけでなく、不法行為が認められたということに大きな意味があるといえるでしょう。
慰謝料請求のポイントは不法行為の証明
肉体関係を伴わない交際関係も内容によっては不法行為とみなされるとの判例によって、探偵社の浮気調査のあり方も少し変わってきます。
デート現場の証拠を繰り返し撮影するだけでも、十分慰謝料請求が可能という事ですので、セックスの現場さえ押さえられなかったら大丈夫とばかりに、巧妙にカモフラージュしながら不倫を繰り返す対象者の調査においても、最悪、デート現場だけであったとしても不法行為の証明がでることになり、精神的にも経済的にも、かなり依頼者さんの負担は和らぐのではないかと思われます。
そこで大切なのは、「その不倫によってどれだけの被害が生じたのか?」ということになります。
裁判のケースでは原告が精神科に通院するに至ったとなっており、44万という金額が認められました。
なので、同様のケースでお悩みの方は、1人だけで抱え込まず心療カウンセラーや心療内科を頼られる方針をとられた方が良いでしょう。
ただ、無資格で行える民間のカウンセラーは証明力に乏しく、お勧めはできません。
可能な限り健康保険証が使える心療クリニックや心療内科に行くようにしてください。
反復性のある不法行為の証明が重要
また、デートの証拠は確実に複数回必要で、その回数は多ければ多いほど絶対に良いです。
裁判で認められるのは何かしらの証拠がある部分のみ。
「この日も出かけていた」「あの日も出かけていた」というのはダメです。
最低でもメールのやり取りなどの証拠。
確実なのは2人が手を繋いだり腕を組んだりしてデートをしている日付入りの写真があることです。
探偵社の浮気調査報告書プラス依頼人が集めたメールなどの証拠があると、より一層証拠能力の高いものとなるでしょう。
今まで、浮気の証拠がないからと諦めていた方も、慰謝料額は低くなっても、証拠がデート現場だけでも良いなら何とかなるということです。
諦めずにプロにご相談してください。
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